日本は母の日の日曜日。スペインの母の日は1週間前(5月第一日曜)でした。
前回の投稿で、村のバルがこの週末からテイクアウトを始めると書きました。金曜にWhatsApp(メッセンジャーアプリ)で早速注文しておいたので、今日取りに行ってきました。
2ヶ月ぶりにバルへの坂を上り、お店に着いた時は感慨深いものがありました。
実在した盗賊の名を付けたバル
村のバルは通称「トゥエルト(Tuerto)」ですが、フルネームを「エル・リンコン・デル・トゥエルト・ピロン(El Rincón del Tuerto Pirón)」といって、ちょっと長い名前です。
この名前について少し説明しますと、今から100年以上前、19世紀半ばから20世紀初頭にかけてこの地域に実在していた独眼(=トゥエルト)の盗賊、フェルナンド・デルガド・サンスという人物にちなんで付けられています。
「ピロン」とは、この地域を流れる川の名前で、その流域の地名には「ピロンの(de Pirón)」という名称が付いており、この盗賊も「ピロンの独眼」と呼ばれていたわけです。
「リンコン」は、スペインではレストランやバルの名前によく使われています。「隅、片隅」といった意味ですが、「隠れ場所、奥まった場所」「狭い場所」という意味もあるので、このバルに関しては盗賊の名前をとっていることから、隠れ場所の意味も含めているのかもしれません。
バルのホームページはこちらです。正確にはバル・レストランですね。
バルの入り口にはパティオがあり、夏はそこにテラス席が作られます。ほんとうに気持ちのよい場所で、いつも満席です。
また、上記ホームページ内の「Las Casas Rurales」を見ていただくとわかるのですが、オーナーは3軒の貸別荘も運営しています。
うち1軒(建物は1つですが2名様×2組泊まれます)は眺めのよいジャクジー付きで、なかなかゴージャスなので、そのうち見学させていただけたらと思っています。日本人の方にも楽しんでいただけそうですし、ぜひ当ブログでご紹介したいと思います。
テイクアウトメニューをご紹介
さて、今日我が家でテイクアウトしたのは、豚ほほ肉のやわらか煮とウサギのアヒージョ、デザートのアップルパイ2人分でした。
参考までに、先日WhatsAppで送られてきたメニューを以下訳してみましたので、ご興味ある方は見てみてください。
週末はお家でトゥエルト
《おつまみ》
(1人前4〜5€、最近の為替レートは1€=115〜120円)
じゃがいものトルティージャ
豚耳の煮込み
豚の鼻とキノコの煮込み
鶏手羽先バーベキューソース
カンティンパロス*のチョリソ、シェリー酒炒め
生ハムの自家製コロッケ
自家製サラダ
*カンティンパロス:チョリソをはじめとした腸詰製品が名産の近所の村
《豆料理、スープ》
(1人前3〜4.50€、コシードのみ10€)
ラ・グランハ**の白いんげん豆の煮込み、セゴビア風
クランベリービーンズとチョリソと豚耳の煮込み
レンズ豆の煮込み
トゥエルト特製コシード
**ラ・グランハ:白いんげんが名産のセゴビア市近くの村
《パエリヤ》
(4名様から、1人前8€)
《肉・魚料理(全品ポテトフライ付き)》
(1人前6〜12€)
豚足煮込み
コチフリト(乳飲み子豚の素揚げ、セゴビア名物)
オックステールの煮込み
豚ほほ肉のやわらか煮
豚ひじ肉のオーブン焼き、じゃがいものピューレと野菜添え
ウサギのアヒージョ
ハンバーガー(牛肉100%)、ベーコンとあめ色玉ねぎ添え
バカラオ(干し塩鱈)のトゥエルト風
《デザート》
(1人前3€)
プリン
チーズケーキ
アップルパイ
メニューを見ていただいてもわかるとおり、豚の料理が多い!
豚の耳は普通のおつまみですし、このメニューには鼻まであります。チョリソも豚肉。どこまでも、豚文化なのです。
オーナーとも2ヶ月ぶりの再会
トゥエルトのオーナーはルベンといって、村に住んでいます。
40代でしょうか、働き者で気さく、どちらかというと控えめな人物です。そして、村の偉大な事業家といっていいでしょう。
2ヶ月ぶりに会ったルベンは、マスクに使い捨て手袋をして完全装備、そして(理容室・美容室が営業できないため、私を含めたほぼすべての村人同様)髪が伸びていましたが、とても元気そうでした。

取りに行く時間も伝えてあったので、すぐ持ち帰れるよう用意してくれていました。
お腹いっぱい、心も贅沢
テイクアウトしてきたものの写真です。
まずは料理。手前がウサギのアヒージョとポテトフライ(パドロンというししとうがついてますね)、向こうが豚ほほ肉のやわらか煮とそのソースです。

我が家では、料理とポテトを一緒にフライパンで温めてからいただきました。


こちらはデザート、いちごはサービスでついていました。

容器のせいで量が少なく見えたかもしれませんが、2人とも料理だけで腹十分目になってしまい、デザートは夕飯になりました。
村が少しずつ動き始めた喜び、オーナーの笑顔、そしてテイクアウトの贅沢を心から味わえた日でした。
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