#7 スペインのお菓子:マンテカード

マンテカードとは、ラード(豚の脂)を使った「さくさくっ、ほろほろっ」としたお菓子です。

アンダルシア地方発祥ですが、現在はスペイン各地で非常にポピュラーなもので、一部スーパーでも売られています。

クリスマスに食べる「ポルボロン」は日本で聞いたことがある方もおられると思いますが、ポルボロンの基本形といってもいいかもしれません。

マンテカ(ラード)を使うという伝統

豚の脂と聞くと、なんだかこってりした重たいものを連想してしまいそうですが、お菓子自体はさくっと軽く、もたれたりするものではありません。かといって、いくつもいっぺんに食べられるかというとそうでもないのも事実です。

我が家御用達の、2つ先の村カンティンパロスにあるパナデリア(パン屋さん兼ケーキ屋さん)・マリア・ルイサのマルタが教えてくれました。

「スペインでは、バターを使ったお菓子というのは最近普及したもので、かつてはラードしかなかったから、ラードをお菓子に利用していたの。冬の屠殺の時期(マタンサ)には、村人は屠殺した豚からとったラードをパナデリアに持ってきて、お菓子を作ってもらっていたのよ。」

小麦粉、卵、ラード、砂糖、あとは香りづけ

パナデリア・マリア・ルイサで売られているマンテカードはこの2種類です。

マンテカード2種(茶色い方が一般的によく見かける形)

茶色い方(このお店では「アメリカーノス」という名前です)が、他の店でもよく見かける形のものです。原材料は小麦粉、ラード、卵黄、砂糖、天然レモン。

粉砂糖がかかっている方は「ブランコス」という名前が付いており、原材料は小麦粉、卵、ラードまではほぼ同じで、白ワイン、アニス、バニラが使われています。私はこのちょっと大人の味?が気に入っています。

どちらも、原材料からもわかるように、とてもシンプルで素朴な味わいです。

ポルボロンには、アーモンドなどのナッツが使われていることが多いのですが、これらのシンプルなマンテカードはナッツを含んでいないので、ナッツアレルギーの方にも召し上がっていただけると思います。

豚文化

先ほどのマルタの言葉にも屠殺時期のことが出てきましたが、豚の屠殺にともなって村人が集まり、肉を焼いたり揚げたりして食べたり、チョリソを詰めたり、という文化は今でも残っています。

「トレスノ」という豚の皮を揚げたスナックや、豚の耳を使ったおつまみなど、少なくともセゴビアでは普通に見かけます。

最初はちょっとびっくりしましたし、トレスノなどはとても食べられないと思いましたが、今やすっかりこの「豚カルチャー」に染まってしまいました。

マンテカードやポルボロンのように、お菓子が豚と密接に結びついているのも興味深いですね。