#3 スペインのお菓子:フロロネス

セゴビアのお菓子で一番有名なのは、名前に「セゴビアの」という意味の形容詞が入っている「ポンチェ・セゴビアーノ」だと思われますが、それは別の機会にご紹介するとして、今回は、私も5年目にして初めていただいた「フロロネス」について書きます。

フロロネスはセゴビアに限ったお菓子ではなく、セゴビア県が属するカスティージャ・イ・レオン州をはじめ、スペインの他の地域でも食べられるものです。

揚げ菓子 フロロネス

昨日は村の友達の誕生日で、(スペインでは誕生日の人は友達をもてなさないといけない)お昼に呼ばれたので行ってきました。平日だったので小規模でしたが、こじんまり楽しいランチでした。

ボティージョという、レオン地方の豚の燻製腸詰がメイン料理でしたが、デザートにフロロネスが登場。

これがフロロネスです

ケーキ屋さんやパン屋さん、観光客向けの食材屋さんなどの店頭に山のように積まれて並んでいるのは見慣れていたのですが、なぜか今まで食べる機会がありませんでした。

柄の付いた型を使って揚げる

作り方は、卵・小麦粉・砂糖・牛乳・水・オプションで香りづけのアニスやリキュールなどを溶いたゆるめの生地(てんぷらの衣のようなイメージでしょうか)をまず作ります。

次に、この花のかたちをした鋼(あるいはステンレス)の型(柄が付いています)を、熱した揚げ油に浸けて型そのものをまず熱します。温まった型を油から引き上げて先ほどの生地に水平に浸けると、型に生地がからみます。ここで注意するのは、型全体にからめてしまうとあとで型からはずせなくなるので、型の上端までは生地がかぶらないように浸けることです。

そのまま、また型ごと揚げ油に浸けて揚げます。生地はすぐに熱い油の中で固まってくるので、そうしたら型の柄を油の中で揺らしながら生地をはずし、泳がせながら裏返して、きつね色になるところで引き上げます。

最後に、砂糖やシナモンシュガーを縁にまぶして仕上げます。

YouTubeにフロロネスの作り方の動画がありましたので、ご興味・お時間のある方はご覧になってみてください。

FLORONES – RECETA

ハートが4つ

食べてみた感想は、甘い春巻きの皮を揚げたもの、というか、とにかくパリパリとした「皮」でした。

と、なんだかそっけない感想ですが、ハートを4つ、クローバーのように合わせたデザインがかわいいです。型によって多少違うとは思いますが、店頭でいちばんよく見かけるのがこのかたちです。

「フロロネス:florones」という名前は「花:flor」に由来しているそうですが、単数形「フロロン:florón」は建築や絵画で用いられる天井中央の大きな花形装飾が本来の意味だそうです。(出典:Diccionario de la lengua española

揚げ菓子の起源

パリパリとハートを割って、フロロネスをいただきながら、「揚げ菓子はアラブを起源としているものが多い」とみんなが話していました。

遠い昔、いろいろな民族が入り乱れたスペインに思いを馳せながら、こんな素朴な地元のお菓子をいただくのもなかなか楽しいものです。