「天使の髪の毛」とは??
いつもパンを買うカンティンパロスのパン屋さん兼ケーキ屋さんで、昨日たまたま「天使の髪の毛」のパイが売っていたので、買ってきました。
「カベジョ・デ・アンヘル」=天使の髪の毛。
ウリ科の「クロダネカボチャ」(学名:Cucurbita ficifolia)の中身を甘く煮て固めのジャム状にし、パイなどのスイーツに使います。
といっても、いわゆるパンプキンペーストとはまったく違っています。クロダネカボチャの実は繊維質が多く、それが糸のようなので、スペインではクロダネカボチャを「天使の髪の毛のかぼちゃ」と呼んでいるようです。

ジャムの作り方
この固めのジャムの作り方は、ざっくりご説明すると、
- クロダネカボチャを8等分し、水煮して柔らかくする。
- 実の繊維質が柔らかくなったら取り出し、種をすべて取り去り、中身をかき取る。
- 2のかき取った中身をざるで水切りし、残ったものの重さを計る。その重さの60%〜100%の砂糖(量はお好みで)、レモン1/2個分のレモン汁を加えて(シナモンもお好みで)、ほんのり飴色になるまで煮る。
という手順です。
作り方自体はそこまで複雑ではないので、スペイン語ですがこんな動画もご参考になるかと思います。
ちなみに、日本には「金糸瓜(またはそうめんかぼちゃ)」という似たような組成のかぼちゃがあるようで、大手レシピサイトに金糸瓜を代用してこの「天使の髪の毛」のジャムを作るレシピが載っていました。
食感を楽しむお菓子
肝心のパイはこんな感じです。2人で食べきれる量だけ買いましたが、パン屋さんで焼いているのは天板いっぱいの大きな長方形のパイで、それをお客さんの欲しい分だけ切って売ってくれます。

この種類のパイに限らずスペインのお菓子は甘すぎる場合も多いのですが、このお店のものは概してそういうことはなく、このパイも甘さ控えめで、クロダネカボチャのしゃきしゃき感がしっかり味わえました。
味というよりこの食感を楽しむお菓子かもしれません。
天使の髪の毛。「天使」というところはキリスト教国であることを実感させますが、髪の毛とこの色や形状が結びつくのもやはり西洋ならではでしょうか。
もしスペインでこんなパイやお菓子のフィリングを見かけたら、ぜひ味わってみてください。
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