#8 水道橋のもうひとつの顔

セゴビアはマドリッドから比較的近いため、観光客の方はマドリッドから日帰りで来られるケースが多く、セゴビアで過ごす時間は数時間という方がほとんどかと思います。

その場合、「水道橋・カテドラル・アルカサル」といういわば3大名所を駆け足で回られる方が多いと思いますが、もしほんの30分、お時間が取れるようでしたらぜひ見ていただきたい、水道橋のもうひとつの顔があります。

アソゲホ広場から水道橋に沿って坂を上る

水道橋の、いわゆる「モニュメント」として地上に見えている部分は全長776mですが、ではその水道橋を流れる水はどこから来ていたのでしょうか。

水は、グアダラマ山脈の水源から約13kmにわたって水路を流れてきて、セゴビアの町に入ります。その後、2ヶ所のデスアレナドール(不純物を取り除くための非常に簡素な浄水設備)を経て、こんにち私たちが目にしている「モニュメント」部分の水道橋を流れていたのです。

アソゲホ広場(水道橋下の、観光案内所のある広場です)で、水道橋に向かって立ってみてください。多くの観光客が上っていく左手の階段ではなく、水道橋に沿って右手の奥へ伸びている坂があります。そのまま水道橋づたいに坂を上っていくと、どんどん水道橋の柱は高さが低くなっていきます。

デスアレナドール「サン・ガブリエル」

水道橋がかくっと曲がっているディア・サンス広場で、一緒に曲がってさらに歩いてみてください。柱が低くなっていくのにともない、アーチも小さくなり、最後にはなくなります。その地点まで行くと、石積み造りの小屋が左手に見えてきます。これが、2ヶ所のデスアレナドールのうち町の中心部に近い方の「サン・ガブリエル」です。

この地点でUターンして、アソゲホ広場まで戻れば、30分ほどの寄り道です。(もっとお時間のある方は「サン・ガブリエル」のさらに先、水路の構造の見える地点まで上っていかれてもいいと思います。)

下の写真は、Uターンしたあとなので右手に「サン・ガブリエル」を見ています。

デスアレナドール「サン・ガブリエル」

上の写真の、白いバンが停まっているところから、アーチが始まっています。そこまで下りていきます。

アーチの始点からアソゲホ広場まで

モニュメント部分最初のアーチ

最初のアーチはこんなに小さいです。そして、坂を下るにしたがい柱は高くなっていきます。

興味深いのは、「サン・ガブリエル」に近い36個のアーチは11世紀頃一度破壊され、15世紀のカトリック両王時代に修復されたものなので、その当時の流行だったゴシック(尖頭)アーチを採用しているということです。

この一角だけゴシック(尖頭)アーチが見られる

坂を下りながら、静かな家並みの中に違和感なく水道橋があることがふと不思議に思えたりします。

家並みに溶けこむ水道橋

さらに下っていき、先ほどの「水道橋がかくっと曲がっている」ディア・サンス広場に出ます。

ディア・サンス広場

そしてまたアソゲホ広場に向かう時、水道橋の柱の間からカテドラルが顔を出します。

水道橋の向こうに見えるカテドラル

いかがでしたでしょうか。30分の寄り道、もしお時間と体力があればぜひ坂を上って、違った表情の水道橋に会いに行かれてみてください。